鳥たちの小窓

ロフトから1階のリビングを望む、室内窓を製作しました。
依頼主のHさんは7年ほど前に、お住まいだった家の室内窓やトイレットペーパーホルダー、タオル掛けなどを製作させていただいたご縁があり、今回は新築の家に僕の作品を入れたいというご依頼でした。

今年東京都美術館で展示した「モヨウ」という作品のテイストをご提案したところ、「自由に作ってください」と言っていただきました。

「モヨウ」のシリーズは、黒く染めた栗の木に様々な図形や動植物のモチーフを彫刻刀で彫っていき、全体が模様で埋め尽くされていくような作品です。
その中から、気に入った鳥の図形を取り出して今回のデザインにしました。

美術館で展示するような作品を作るときは、販売などはあまり考えず、自分の心の中で感じたことや言葉にできないようなことを元に製作することがほとんどです。
そんな作品を自分の生活の中に取り入れたいと言ってもらえたことが、とてもうれしかったです。

取付のときに、他の職人さんたちから「お、どこぞやのペンションみたいだね。」とか、「個人宅には珍しいね。カフェみたい」と言われ、恥ずかしかったので、「♪タロ~マ~ン」などと口ずさみながら作業していました。

これは、リビングから見上げたところです。小窓の木が下に続き、そこから枝が伸びてステンドグラスの照明が付きます。
この照明は、施主のHさんのお父様が製作されたものだそうです。
クリの木とステンドグラスの素材感がとても合っていると感じました。