釈迦堂遺跡のレンコ様

真ん中は博物館のレプリカ土偶。これに近づくように木で作りました。

縄文遺跡が好きで・・・

札幌近郊で生まれ育った僕は、近くの縄文遺跡の発掘現場に転がっている土器のかけらを集めるのが好きでした。
釈迦堂遺跡の板状土偶のことは、以前から知っていて、好きな土偶の一つでした。
山梨に移転してきてから、「レンコ様」という愛称があることを知り、学芸員さんのIさんとのやり取りから、ますます好きな土偶になったのでした。
縄文の始めのころに作られたからか、単純な板状で、まるで子供が粘土遊びをして作ったみたいにあどけない感じがしました。縄文の凝ったデザインとは真逆で、作為のないところも新鮮でした。

あまりに気に入ってしまい、木のレンコ様を作って楽しんでいたのですが、ご縁があって今は釈迦堂遺跡博物館のミュージアムグッズとして置いてもらっています。
上の写真の真ん中は、博物館にある土偶のレプリカです。

縄文なら栗の木で

木のレンコ様は3色あるのですが、全部栗の木。色は栗の木の成分「タンニン」を反応させて染色したものです。反応の強弱によって、こげ茶や真っ黒になるのが面白いです。
縄文人は栗を採取していたそうなので、当時の人達も栗の木で何かを作っていたのかもしれない、と想像して作りました。

レンコ様の由来

ところでさっきからレンコ様と言っていますが、これを命名したのはこの土偶を熱心に推している釈迦堂遺跡博物館の学芸員Iさんだそうです。由来は、土偶に開けられた穴がレンコンみたいに見えるとか、命名当時はやっていた山梨が舞台の朝の連ドラ「花子とアン」に出てくる蓮子様から来ているとか。来館者からは「ジブリのコダマに似てる」という声もあるみたいですが、僕はコダマのモデルがこのレンコ様なのでは、と思っています。
縄文時代はよくわかっていないことが多いから、自分なりに想像を広げられるのが楽しいなと思っています。
ぜひ釈迦堂遺跡博物館に行って、実物のレンコ様を見てきてほしいと思います。この時期釈迦堂博物館から見える甲府盆地は桃のピンク色一色になるので、ドライブにおススメです。